久々に怒りの感情が

感情の振幅が人並み以上に激しかったのはいつまでだろう。
祖母の死と自分の中での大きな決断を経て、悲哀と寂寞を抑え込むことで憤怒が沸かなくなり、そして気づけば爆笑をしたのがずいぶん前のことのように思えるようになった。
ここ数日、他愛のないことで怒りが沸くことが数回あり、それすら新鮮に思えるようになっていたのでびっくりした。


感情の振幅の大きさが身の上だったし、人に理解されづらかったのは感情量が豊富すぎるゆえとばかり思っていたが、何のことはない、理解されづらいのは人と琴線や判断基準、芯棒が大きく異なっていたためかと今になって分かった。
起伏が小さくなったのは副作用で、それは自分の思うように自分をコントロールできている証でもある。本作用は、自分の目的に向けて100%尽力すること。それ以外は、すべてが無駄であると思い定めることであった。
怒りであれ、喜びであれ、悲哀や寂寞すら、最短距離を進むためには無用の長物だと決めた。
つまり、怒りの感情が沸いて出るのは、あるいは弛緩の始まりなのかもしれない。
確かに離婚して弛緩はしたが、その実、俺はまだ目的のスタート地点にすら辿り着いていないのだった。