クラシック漬け

先日、第九を聞いてきた。
S席で 12,000- なのでまぁ悪くはないのだろうと思いチケットを取ったのだが、今まで聴いたコンサートの中で最悪なものだった。
単純に言えば練習不足。
指揮とオケ、弦と管、挙句にコーラスまでばらばら。
コンサートマスターをはじめ、ソリストの絶対的力量が不足していたし、こんなのを聴かされるくらいならばたぶん適当な大学の学祭とかのほうがよっぽどマシだったんじゃないかと思う。
これを 2009 の第九とするにはあまりに腹立たしいので、このところアシュケナージ指揮のN響第九をずっと聴いている。神様の曲だとすら思えるほど。素晴らしいの一言だ。


声楽が入るものでは、Verdi の La Traviata もお気に入り。
C.クライバー指揮で、コトルバシュとドミンゴのものなんだが、乾杯の歌が秀逸すぎる。
コトルバシュの声はややきんきんして聞こえるものの、力量は文句なく、テンポのよさも手伝い、こんなにも美しい歌があるのかと幸せな気持ちにさせてくれる。
ドミンゴは抑えて声出してもドミンゴなんだなぁ。
この人の偉大さの一端をはじめて理解した気がする。


ピアノ曲ではカツァリスを聴くことが多くなった。
圧倒的なまでの超絶技巧。やりすぎだよと苦笑したくなるほどのアレンジ。華やかな音楽性。音の深みは*1アシュケナージのほうがあるように思えるが、バランスは甲乙つけがたく*2、特に Chopin はどの曲も卓越した世界観を演出している。いじくりすぎるところをどう感じるかが大きいかなぁ。
それでも比較的いじらずに弾いている Ballade の2番は、もともとあまり好きな曲じゃなかったのが彼の演奏で好きになったくらいなので、表現力が素晴らしいんだろうな。


右手完全復活までもう少し。
春くらいまでには何とか満足がいく状態にしてピアノを叩くなり、鎖と戯れるなり、右ストレートを打ちまくるなりしたいところだ。

*1:好みもあろうが

*2:演奏バランスはアシュケナージが歴代最高だと信じて疑っていない