分かったこと

瞬間のポテンシャルってなんだろうかとしばらく考えていた。
分かった。理解したんじゃなく、唐突に、分かった。


満さんが当時なぜ、おまえはおまえとして既に俺を超えているというようなことを言ってくれていたのかが唐突に分かり、そしてそれを分かることで瞬間のポテンシャルが何なのかも分かった。
なるほど、時代はめぐるものなのかもしれない。


ひとつだけ、どんなところでもいい。
自分よりもすげぇ、かなわないと思う箇所を、他人に認められるかどうかってことなんだろう。
それを他人の中に無理して探すのではなく、何の疑問もなくそう思えるのかどうか。
こりゃ、その場の力を出すも受けるも、そう理解しあうには双方に何がしかの能力を要するわなぁ。
そして、俺にとってはこの考え方は処世術とは違う次元で俺の中に根付いてしまっている。


満さん。
だから陽明学だったのかな。
だからムズカシイ本を読んできたんだろうな。
だから詩的にもシニカルにもなりきらなかったんだろう。
いつも目の前にいる自分を斬りつけるようなことをずっとやってきたから、人に斬られると素直に喜べたんだろうな。
モノを作り続けるってのはすさまじいことだ。
枯渇しそうになるたびに、その自分を斬ってきたんだろう。
満さんが信じぬいたもの。それは自分自身のパワー、可能性だったんだ。
もう答えを聞くことはできなくなった。


なんだか嬉しいぞ。
無性に感謝したい。